ヌッ

適当

ディエンビエンフーを読んだ

高専の頃、帰省時に新潟駅に寄ると大体ジュンク堂に寄っていた。
そこの地下にはサブカル系の漫画が多く並んでいる場所があり、自分はよくそのあたりをウロウロしていた。
そこでよく目にしていたのがディエンビエンフーという漫画で、表紙や煽り文句に惹かれて印象に残っていた。
しかし当時もケチくさく、本棚を眺めても購入には至ることはほぼ無かった。

それから数年後、kindle unlimitedに入っていたのでようやく読むことができた。
ベトナム戦争を舞台とした戦い、恋愛を描いている。
カワイイ絵柄に反して凄惨……という作品は今では腐るほどあるが、そこと同列に見てはいけないと思うくらいすごい漫画だった。

まずイラストの迫力がすごい。
表紙の通りキャラクターの描写はシンプルで可愛らしく、緻密な書き込みがあるような画風ではないのだが、余白の扱いが巧みで結果としてバトルシーンの迫力が生まれる。

また史実にそったストーリーなだけにリアリティが増している。
ベトナム戦争自体自分はよく知らなかったのだが、時代的には第二次世界大戦以後で、テレビがあったり、日本の著名人(岡本太郎とか小松左京とな)が反戦運動してたり、その点でもより身近に感じる題材だ。
登場人物が死亡するシーンも演出含めてショッキングに感じる。
当時もリビングルームウォー(リビングで見れる戦争)と呼ばれていたらしいが今まさにそうだよなとも思う。
(巻末のアオザイ通信では連載当時の大震災と対比している)
世界史はクソほど苦手で、高専時代は点数が1桁をとるほどだったのだが、最近になって興味が湧いてきている。
まぁバトルシーンにおいて各キャラの動きはもはや人間離れしてるし、ジャイアントロボ並に個人が異常に強すぎるというのはあるのだが、演出も伴って少年漫画的なアツさがある。

ただ完全版の終盤はちょっと残念であった。
急にトーナメント戦が始まったり、かと思ったらそれが無かったことになってtrue endになったり……。
出版社が変わったという事情があるにせよこの辺の話の繋がりが謎だし、フィクション度合いが強すぎて萎えてしまった。
またkindleだと13巻まで出てるけどtrue endの最後まで反映されてないような?
結末は物語の冒頭で明らかになっているわけだが、やはりそこまでに至る過程は気になるところ。

それはともかくとしても戦争を描いたフィクションとしてかなり良かった。
ベトナム戦争を描いた映画(フルメタル・ジャケットとか)も今度見ても良いかも。